2010年7月11日日曜日

ホットケーキ◇*+。

こんばんは.

一昨日、パソコンの前でぼーっとしていると弟がひょっと顔を出して「おねえさん、ホットケーキたべる?」と親切に聞いてくれたので本当はお腹一杯でしたが食べるよと返事をすると、んと短く返され、キッチンに行ってしまいました.

かちゃかちゃとかばたんと冷蔵庫の閉まる音や、濁ってはっきりと見えないガラスを通してせっせと料理に集中する彼の姿を頼もしく思いながら、ちょっと見せてとパソコンでレシピを見ながら作っていて、うんとか、うーと言いながら画面を何度も確認していました.

少し経ってから台所に見に行くとこれから焼くところで、甘いにおいのするとろっとした生地をお玉1杯分すくって熱したフライパン流しこみ、じゅーっとバターが音を立てるところにすかさずふたを閉め、やることがなくなってぽかんと二人で立ち尽くすのはなんとなく気恥ずかしいので焼きあがることを待ち遠しいふりをしてフライパンを見守り、最初の1枚はふんわりきつね色に上手に焼けました.

2枚目も丸く薄い綺麗なきつね色で、しかし全て丸いものだけだとつまらないなと思い、ハートの形をリクエストすると案の定できないとめんどくさそうな顔で断られたので、自分で焼くことにしました.

お玉7分目くらいまで生地をすくい、斜めになった雫型をひとつ作り、それと線対称になるよう同じ形のものをくっつけるようにして生地を流し込むと弟はふーんとなにか開けたようで、次は星の形を作る!と張り切り宣言して、互いにより高度なパンケーキをつくろうという流れに変わりました.

しかし、星。。とつぶやいたまま手元が止まってしまい、さすがに大きなお玉では星の尖った部分を表現するのは難しそうだったので、そばにあった計量カップを手渡し、注ぎ口が尖っているのでこれならできるよというと、待ってと生地を注ぐのをさえぎられ、さっと洗っただけのコップの水滴を拭いてからのほうが生地が薄まらないよと彼が言い、そうだねとコップを拭いてから、まずとろとろと計量カップに注ぎ、それからもう一度バターをひいたフライパンに線で星を描き、さらに空いた部分を埋めるようにして生地を流して、二人して海星だ、海星を焼いているみたいと笑いながら星の形をしたパンケーキを焼き上げました.

これ以上自分が加わると彼の楽しみを奪う気がしたのでパソコンの部屋に戻り、あとは彼に任せました.

できたよーという声に呼ばれ、テーブルを見ると幾重にも重なり積み上げられた薄いパンケーキがあり、二人で感想を言いながら相手の作ったものを食べることにしました.

ホットケーキミックスではなく、自分で一から分量を量り作ったパンケーキの味は牛乳とバターの甘さが優しくひろがり、あまくておいしいよというと、弟は少し砂糖をまぜたのとうれしそうに答え、今度はぽってりとした厚いやつが食べたいというと言ってくれればできたのにと言うので、いつの間にそんなにお料理が上手になったんだと驚き、両親の不在というこどもしかいない歯止めの効かない空間の中、できたてのパンケーキを黙々と食べました.

パソコンの画面を見て分量を確認する姿や、花のかたちだといって網のようなパンケーキを頬張る彼をみて、彼の作るお菓子は彼のひたむきで優しい性格がよく出ていて、きっとこうやって楽しいという気持ちが彼を成長させ、より彼らしくなるのだろうと思いました.












とてもとても美味しいパンケーキでした!

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました.

3 件のコメント:

  1. うっへー美味しそう.バターになってしまう.

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  2. おいしそう。ほほえましい光景ですね。私もホットケーキミックスにたよらず作ってみようっと。

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  3. 若い人の美味しさはかたちにあるのですねー。僕なんかはシロップになちゃうんだけれど。あの弟が成長したものですね。インスタントでいいから臼井さんの手作りをたべたい。希先生のは押し付けがましいから。

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