2010年7月29日木曜日

鰻 7/26

こんばんは.

今日は以前から約束していた鰻を元家庭教師の先生と食べる日で、風の強いお昼ごろ電車に乗って最寄り駅まで向かいました.

目の前に座る20代後半に見える髭の生えた男性はちらちらとこちらをみるので今日はお化粧が濃すぎたのかなと反省しましたが、それから本を読み出しそれでもこちらを見てくるのでその姿は(下手な)クロールの息継ぎのようだと思いました.

そういう人を見るときの自分の顔は一体どんな顔をしているのだろうと不思議に思いましたが、きっと意地悪な顔か、目つきの悪い顔か、間の抜けた顔だと思います.

普段乗りなれない電車の発散する空気は、これから訪れるものへの気持ちを鼓舞させると同時に、部外者というのか、その場所に根付いていない、属していないという不安な気持ちが四方から迫ってきては遠ざかって、どうしてこう臆病なんだと自分に嫌気がさしてはごとんごとんと揺られて、原始的な視点から言えば、歩く、走る、動物に乗る以外の方法で移動するというのを遥かに超えて、複雑な過程と構造で構成された箱状のものに何も疑うことなく信じきったまま、自分の両隣に全く知らない人間の立ったり座ったりを許して、乗る.という作業を神々しく思ったり、普段の感覚に覚めたり、異常というか正常なのか全然わからないことを繰り替えし考えたり、止めたり戸惑ったり、ものすごく嫌になったり、愉快だったりと一言も言葉は発しないものの、一人で一杯一杯になってしまうのでした.

そして駅で会うなり先生は今日は君は金太郎あめの金太郎みたいだね、まんまるだと言い、ああ来るんじゃなかったと心が一気に青色に染まって、むすっとしながらエレベーターを降りて、鰻と冬瓜と豚肉を買って家に向かいました.

家は薄暗く、オレンジ色のライトが頼りなさげに照らすのみで、最初からずっと甘やかされている自分は一切お料理のお手伝いをしないまま椅子に座り、ベット・マドラーのインタビューを見ていました.

インタビューが進むにつれて素直で面白い彼女に引き込まれ、一番印象深かったのは映画のワンシーンで彼女はボーイフレンドらしき男性と抱き合ったあと、シーツにくるまりながら彼を見つめて「私、ラグビーのチーム全員と寝たわ.」、「それがクリスマスにする話かい?」というやり取りで、なんてアメリカらしいんだろうと笑ってしまい、それは映画の設定ではあったけれど、一層彼女が好きになってしまいました.

そして食事は出来上がり、金目鯛のお吸い物を飲んで大盛りの鰻丼を頬張り、ジャイアントという映画を見ました.

ロック・ハドソンの格好良さとエリザベス・テイラーのつんとした声と態度、ジェームズ・ディーンのどこか影のかかったような演技に、空の容器が水のような液体でどどっと満たされるような感覚を胸の内側に感じました.

内容は少し退屈だったので散歩に行きたいと提案して、先生のサンダルを借りててくてくと特に目的もなく、二人で歩きました.

自分の最寄り駅とは違い、沢山のお店で賑わう駅周辺は見ていてとても面白く、制服のシャツと男性物のグレーの半ズボンとサンダルという最悪でラフな格好は一番自分らしいような気がして愉快な気持ちになり、先生はそういうことは一切気にしない性質なのでより楽しくて、酷過ぎる格好ではあるけど綺麗なデパートに入ってお手洗いに寄るだけのつもりがユニクロのショートパンツを試着したり、浴衣を見たり、帽子まで被ったりして結局、ベージュの黒いリボンのついた帽子を買ってもらうことになりました.





うーーん.

これを被って
「わたし、あなたの友達全員と寝たわ.」
って誰かを困らせたいな* ひっひっひ:)



今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました.

0 件のコメント:

コメントを投稿