2010年6月7日月曜日

独占

こんにちは.

今日は大嫌いな中間試験初日で、毎度のように勉強不足で空欄の多い答案を持て余す一週間が始まります.

試験期間中になると普段ガラガラな自習室や図書室がいっぱいになり、小さい机が気に入らず広いスペースや人のいないところが好きなのでそこへは行かないで一体どうしようかなと考えていたところ、人数合わせのために声をかけてくれたバスケの部長の話を思い出しました.

部長は4つか5つ年上でよく試合の後の打ち上げで煙草を吸っていました.
ショートカットのさわやかでみんなから信頼される明るさと誠実さは今まで接した人の中で一番です.

そんな部長と部活ではなく体育の授業で一緒だったとき更衣室で、この間二日酔いのまま朝早く学校に来てお酒臭いまま保健室で寝るのは申し訳ないから体育館の舞台のカーテンの後ろで寝ていたら掃除のおばちゃんに生きてんの!!?ってぎょっとされてああ、邪魔かと思ってどきますと言ったらいや、いいの、寝ていなさいとまた寝かされるという変なやり取りをしていたという話で、まさか暗い体育館で人が動かず横たわっていたら誰でもぎょっとするし、誰も体育館で人が寝るなんて考えもしないことをやってのけてしまう部長の自由な発想がとても印象的で試験期間中は部活動禁止なので誰も使う人はいないだろうと思い、自分もやってみようと物理のテストが終わってから体育館に行きました.

薄暗く誰か先生に怒られたらどうしようという微々たる緊張感とだだっ広い空間の静けさにひとりなのにそれで余計楽しくなってしまいました.

仰向けに寝ると床の平で硬く冷たい感触が背中を支え、左右上下に何もなく、天井に見える鉄格子で執拗に覆われた照明は高く、遠くにあるおかげで本当にひとりきりなことを教えてくれるとても素晴らしい環境で、今この瞬間この空間を独占しているということが非常に面白く、好きなだけごろごろとその感触を味わいました.

ある小説で人のことは所有できるけれども、独占はできない.もし独占したいのであるならばその人の纏うすべてを所有することと書かれていましたが、私はその逆しか出来ないと思います.

人を所有はできないけれども一時、独占は出来る.所有として何かを自分のものには出来ないけれど限りなくある一時を自分で占めることは出来ると思っていて、今日は体育館を独占しました.

広い露天風呂をひとりでぷかぷか漂うような、川原でシートの上に寝て電線で仕切られていない空を見上げるような、そんな体験はとても貴重で、自慢したくて書きました.

へっへっへ~


またなにも考えずごろごろと横たわりたいです.


今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました.

1 件のコメント:

  1. 体育間というところは使っていないときは閑散としているけれども変な人は隠れるのにっもってこの所.気を付けた方がよいと思いますよ.

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