2010年7月4日日曜日

clarinette 7/4

こんばんは.

今日は夕方にエスニック系創作料理のお店で食事をして、その帰りは雨が降っていたので地面の匂いと夏を予感させる温度とさっきまでの幸福の余韻が入り混じり、花火が終わったあとのようでした.

家に着きテレビをつけると、NHKでクラシックの演奏をしていてステージの真ん中で栗色の髪をした男性がクラリネットを吹いていて、クラリネットがメインのものは初めてだったのでチャンネルは変えずにいました.

男性はふわりとした髪の前髪が汗で少し濡れていて瞳を閉じて音に集中し、後ろには日本人で形成されたであろうオーケストラがいて普段着慣れないタキシートの服装の正しさに居心地が悪く感じました.
それに比べてクラリネット奏者は暗めのスーツと黒っぽいシャツに気に入っていそうなグレーのネクタイを締めており、改めて自分の好きな服装を着る人は素敵だと思いました.

管楽器は弦楽器の摩擦による「しぃー」という音が含まれないので、丸みを帯びた愛らしい音をしていて下唇を震わせビブラートをかける所は弦楽器より難しそうに感じ、目を見開いて音と技術とその人の情熱に感動しました.

このこころがやさしくなる感触を誰かと共有できたらうれしいなと思い、今は一人で味わっていることの贅沢さに少し戸惑っています.


関係ないですが、目の前の駐車場に、またいたるところでくちなしの花が咲いており、夜の花のあまくしっとりとした空気に、いままで起きたかなしいことやうれしいこと、ただ記憶に残るくだらないことなど思い出したくないことも何故か許せる気持ちにさせられ、自分以外の人はその空気のなかでいったいどんなことを感じるのかなと思いました.



今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました.

1 件のコメント:

  1. 何だか恋をしている人のような甘い香りのする美しい文章ですね.読む人は心が和みます.

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